災い転じて?
前回のブログは残念な結末で終わってしまいましたが、実はそのあと急転直下の顛末がありました。
翌朝はさすがにすっかり落ち込んでいました。
先方から教えられた名前も連絡先もインチキだったため、こちらから相手を割り出す術はありません。
大きな事故でもないので警察に相談しても取り合ってもらえないでしょう。
ああ、泣き寝入りかあ。
自転車の修理代、損しちゃったなあ。
でも怪我しなくてよかったな。
そんなふうに自分に言い聞かせていました。
すると10時ごろ、私のスマホに見知らぬ電話番号から着信がありました。
怪訝に思って出てみると
「昨日事故を起こした者です…」
という声が。
最初は信じられませんでした。
ウソの連絡先を伝えてくるような悪人がわざわざ連絡してくるとは一体どういうことなのだろう…と、状況がうまく理解できずにいました。
とりあえず話を聞いてみたところ、概ね次のような説明をされました。
・事故を起こして気が動転してしまった
・以前事故を起こした時に相手方から脅迫のようなことをされたことがあり、怖くなってウソをついてしまった
・でも事故を起こしたことと嘘をついたことが怖くなって夜も寝られなかった
だいたいこんな感じでした。
もちろん、どれもこれも嘘をついてよい理由には全くならないんですけどね。
それで改めて相手の(本当の)氏名と連絡先を聞き、月曜日に揃って泉警察署に届け出に行くことにしました。
月曜日。
教室の近くで待ち合わせて、先方の車に乗って警察に行きました。
警察では二人の警察官の方が対応してくださいました。
先日の交番の若い巡査とは雲泥の差、とても親切で丁寧な対応をしていただきました。
(この間のお巡りさんはなんだったんだ。思い出しても腹が立つw)
事故のあらましを説明し処理していただき、あとは当事者同士の話となりました。
特に怪我をしたわけでもなく、自転車が少々ダメージを受けた程度でしたので、その日に持参されていたお見舞金を受け取って、それで終わりにしました。
その日の気分は自分でも不思議な感じでした。
事故に遭ったのは不幸な出来事でした。
でもそれ以上に悲しかったのは、相手を信じて裏切られたということでした。
人間はとても弱い生き物だということはよく知っているつもりです。
60年も生きてきましたからね。
自分のことを振り返っても、何か大きな失敗をしたときに、誤魔化したくなったり誰かのせいにしたくなることはあります。
だから相手の方がつい逃げてしまおうと思ったのも(よくないことではあるけれど)理解することはできます。
そして思うのは、いったん逃げてしまったあと、もう一度引き返すのにどれだけ勇気が要っただろうということです。
自分の過ちを認めるのは、そしてそれを正すのは、時にとても勇気がいることだと思います。
もちろん今回、相手の方が連絡してきたのは「正しいことをする勇気」というより「悪いことをしたことに対する罪悪感」からだったかもしれません。
それでも私は、自らの非を認めて詫びる相手をそれ以上責める気にはなれません。
それよりはむしろ、相手の方に対して親近感のようなものを感じてしまいました。
根はきっと良い人なんだろうなあ、違う出会い方をしていたら親しくお付き合いができたかも…などと考えてしまいました。
まあ、向こうは「そんなのごめんだよ」と思うでしょうけどねw
事故に遭ってこんな感じになるなんて、ひょっとしたら気づかないうちに頭を打っていたのかもしれませんね(笑)
まあとにかく、禍を転じて福と為すというのではありませんが、最後の最後はよい終わり方ができてよかったなと思っています。
やっぱりお人好し?
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